自分を律することができないだらしない私は最近TxT Live(テキストライブ)のプライベートモードでぽちぽちと小説を書いています。
書き出しに迷って近況報告しました。
PRでもなんでもないですよ。
終了するときに作業時間と文字数が表示されるので何かやった気になれておすすめです。
去年の暮れに買ってよかったものをまとめましたが、今年は読んだ本をだらだら振り返ろうと思います。
ちなみに買ってよかったものたち。

⚫︎大穢-完全版-スマホブラウザ版ステラワース限定セット(ADELTA)
⚫︎デコケース(Dear mee)
⚫︎しっぽふりふりぬいぐるみペンギン(フライングタイガー)

このペンギン、個体差があって、私は両手でバンザイしている陽気な子に惚れました。
映画は『みんな、おしゃべり!』
minna-oshaberi.com
話すこと、伝えること、わかろうとすることの映画です。
コピー見てドキッとするかもしれないけれど、本編は対立を煽るような話じゃないので気になる方は劇場へ!
目次
2025年読んだ本
「読んだ本」の定義
対象は2025年1月1日から記事の更新までに読破した本。
読みかけで挫折した本、つまみ読みした本、再読、漫画は除外しています。
あまり数を読んでいないので、順位はなし。
お気に入りもイマイチもごちゃ混ぜです。
読んだ順リスト

特にお気に入りの作品には星記をつけている
感想
『空色勾玉』 荻原規子(徳間文庫)
運命を描く名手。土の匂いが木の葉のざわめきを読んでいるだけで感じる圧倒的な筆力。
『火守』 劉慈欣著、池澤春菜(KADOKAWA)
寂しいはずなのに、選択をした清々しさ、光と希望に満ちる結末に心掴まれる。
『没落令嬢のためのレディ入門』 ソフィー・アーウィン著、兒嶋みなこ訳(mirabooks)
家族のために玉の輿を狙う主人公は懐かしい少女小説の趣があるものの、亡き親で諸悪の根源であるへの愛しているけど…という確執は今っぽい。
『花にして蛇シリーズ2 サイコ』 オンリー・ジェイムス著、冬斗亜紀訳(モノクローム・ロマンス文庫)
サスペンス部分にもっと分量がほしかった。超能力のせいで要素がごちゃついているような気も。
『バレンタイン・シャワー』 ジョン・C・ハウザー著、冬斗亜紀訳(モノクローム・ロマンス文庫)
シャワーってそれ!?言葉にするのが苦手でもはっきり伝えなくちゃわかんないよね、という歩み寄りを丁寧に描くロマンス。
『片付け魔と散らかし屋に留守番はできるか』 クレア・ロンドン著、冬斗亜紀訳(モノクローム・ロマンス文庫)
短編の中で視点が交互に入れ替わる構成を飽きさせずテンポ良くみせる構成が好き。
『スピーチレス』 キム・フィールディング著、冬斗亜紀訳(モノクローム・ロマンス文庫)
喪失を抱えて生きてきた2人が、欠けたままの自分を認めお互いと向き合う様子が諦観なしに描かれている良作。
『悪い男は飼い馴らせない』 成宮ゆり著(角川ルビー文庫)
攻めの堪え性がすごい。話の全ての転換点で受けが貞操の危機に陥ってるのもすごい。
『刑事に甘やかしの邪恋』 高月紅葉著(ラルーナ文庫)
ほとんど濡れ場なのにバリエーション豊富で関係性も変化していてエロを書く事の技術が冴え渡ってる。
★『アリとダンテ、宇宙の秘密を発見する』 ベンジャミン・アリーレ・サエンス著、川副 智子訳(小学館)
大好き。アリの語る言葉(変化していく自身への戸惑いや、言葉に表すのが難しくとも確かに存在する愛情について)がひしひしと胸に迫る。こんな小説が書きたい。
★『月の影 影の海 上・下』
『風の海 迷宮の岸』
『東の海神 西の滄海』
『風の万里 黎明の空 上・下』
『丕緒の鳥』
『図南の翼』
『華胥の幽夢』
『黄昏の岸 暁の天』
『魔性の子』
『白銀の墟 玄の月(一)〜(四)』
小野不由美著(新潮社)
なんて面白いんだ…!高潔な魂の輝きが読める傑作。(ただ「責難は成事にあらず」に関しては違うと思います)
★『レベッカ 上・下』 デュ・モーリア著、大久保康雄訳(新潮文庫)
名前も容姿もちっとも明かされない語り手の繊細で柔らかな心の揺れ動きとじっとりした不穏さが魅力的なロマンスサスペンスホラー。こんな文章が書けるようになりたい。
★『九年目の魔法』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著、浅羽莢子訳(創元推理文庫)
真っ直ぐで行動力に満ちた少女が暗闇の淵に立つ臆病な青年を引き上げる冒険譚をジョーンズに書かせたら右に出る者がいないのでは!?現代を舞台にしたファンタジーとして設定も楽しい。
★『クリストファーの魔法の旅』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著、田中薫子訳(徳間書店)
いくつもの世界を知らずのうちに渡り歩く未熟な大魔法使いという設定に負けない物語の豊かさ、登場人物の多彩さが最高!
『魔法使いはだれだ』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著、野口絵美訳(徳間書店)
一人称視点がパッパッと切り替わって繋がっていくまるで映像のような群像劇!文章が上手すぎる。
『彼岸の花嫁』 ヤンシィー・チュウ著、圷香織訳(創元推理文庫)
19世紀マラヤ(マレーシア)、冥婚、死後の世界。全部ワクワクする!全く共感できないしむしろイラッとするのになんだか憎めないヒロインもさることながら、アーランやティアンバイといったヒーローが魅力的。
『ニューヨークの魔法使い』 シャンナ・スウェンドソン著、今泉敦子訳(創元推理文庫(F))
魔法×お仕事。設定は面白かったけど魔法の描写そのものは起こることの規模の割に派手さが感じられなくて残念。
『毒見師イレーナ』 マリア・V・スナイダー著、渡辺由佳里訳(ハーパーコリンズ・ジャパン)
運命に立ち向かうヒロインの造形も魅力的だし、軍事国家の独裁者とその右腕であるヒーローの関係性も面白かった。
★『言語化するための小説思考』 小川哲著(講談社)
話が上手すぎる。あまりにもストイックでできる気がしないのに実践してみたくなる。突き放されたようにも励まされたようにも感じる本。
『君のクイズ』 小川哲著(朝日文庫)
↑の本で書かれたことが全て実践されている驚異のエンタメ小説。
★『花よりタンゴ 銀座ラッキーダンスホール物語』 井上ひさし著(集英社)
読み物として面白い、ト書きまで豊かな戯曲。市井の側に立つぞという決意を感じる。
『マーブル館殺人事件 上・下』 アンソニー・ホロヴィッツ著、山田蘭訳(創元推理文庫)
50代の女性編集者が素人探偵をつとめる(というか好奇心任せに駆け回る)という主人公像が好き。
『そして誰もいなくなった』 アガサ・クリスティー著、青木久惠訳(クリスティー文庫80)
必要最低限の描写で全てをあっという間に語る魔法のようなミステリー。
『煙の居場所』 野坂昭弘編(幻戯書房)
喫煙歴0年の佐藤愛子の煙草にまつわるエッセイが面白かった。煙草について話すと多かれ少なかれお金の話になるのが興味深かった。
★『ずっとお城で暮らしてる』 シャーリィ・ジャクスン著、市田泉訳(東京創元社)
ずっとお城で暮らしてやる!というどう見ても悪あがきにしか思えないあれこれが見ていて苦しいのに全うしてほしいと願ってしまう。
★『鳩の栖』 長野まゆみ著 (集英社文庫)
こういう小説を書きたい。短編として1行目の情報提示から爽やかな風が吹き抜けるような最後の一文までスマート。
振り返り
上半期
『空色勾玉』〜『風の海 迷宮の岸』
上半期は文章を一読しても中身が理解出来ず一行を2回3回と読んでさらに音読しなければならないという状態が続き、文字を追うことがかなりしんどかった。
そこで頭を少しずつ小説にならすために短編を読んでいきました。
『バレンタイン・シャワー』『散らかし魔と片付け屋に留守番はできるか』『スピーチレス』など。
いずれも、勇気を出して一歩踏み出すことで世界が開けていく様子を描いたほっこりする良策ロマンスです。
(なぜ苦しくとも読書するかというと、娯楽の中で文字情報が1番自分に合っているからです)
『アリとダンテ、宇宙の秘密を発見する』は思春期の少年の一人称で語られてゆく物語。
自分のことが自分でもよくわかっていない手探りの思考を追いかけるような読書体験に思い切り没入して、久々に物語に潜り込むような体験ができました。
ここで勢いを得て、読むタイミングを逃してきた十二国記をいっちょ読んでみるかと『月の影 影の海』を手に取りました。この頃は寝食を惜しんでページをめくることになるとは想像もしていませんでした。
下半期
『東の海神 西の滄海』〜『鳩の栖』
十二国記にのめり込んでいる間、本当に楽しかった!
硬質で歯ごたえのある文章。
苦痛を伴う旅路の先にある胸の高鳴り。
貪るように読みふけりました。
読み始めてから周囲の十二国記読者と話がはずんだのも良い思い出です。
長いこと家族に今すぐ読めとプッシュされていた(そのためにかえって敬遠していた)『レベッカ』もようやく読むことができました。
全般に渡り美しくスリリングな文章に惹きつけられますが、特に物語冒頭で語り手である「わたし」が綴る、夢で見た喪われた地、マンダレイへの慕情にはこれ以上ないくらい胸を締めつけられました。
『言語化するための小説思考』、これは創作術についての本ではなく…なんだろう…?
読み手が価値を決める、という前提で見る小説の構造の話なのかな。
"考え方によっては小説とは伏線そのものであり、むしろ回収されない伏線があってはいけない"
(小川哲『言語化するための小説思考』p.86)
とにかく全文パンチがきいています。
だからと言って読者を煽り立ててけしかけている、ということもなく、理屈をするすると解説していく。
小説とは著者が顔の見えない読者に語りかけ、読者は書かれた情報を読み取るコミュニケーションある、という筆者の考え方は、同人活動(特にオフ活動をする場合は)にも通じるように思われて興味深く読みました。
巻末の短編小説含めてとにかく面白い本なので、読んだ人はぜひ私と語りましょう。
来年中に読み終えたい本
『身体はトラウマを記録する―脳・心・体のつながりと回復のための手法』ベッセル・ヴァン・デア・コーク著、柴田裕之訳、杉山登志郎解説(紀伊國屋書店)
『この世界からは出ていくけれど』キム・チョヨプ著、ユン・ジヨン訳、カン・バンファ訳(ハヤカワ文庫NV)
『はてしない物語』ミヒャエル・エンデ著、佐藤真理子訳(岩波書店)
今やってるゲーム『古書店街の橋姫』に出てくる泉鏡花や夢野久作の作品も読みたい、です、が、これらも過去に挫折しているのでまた次の年その次の年と託していくことになりそう……。
まとめ
全体として積読本をいっぱい読めました。やったー!達成感!
積んだ年数
『アリとダンテ、宇宙の秘密を発見する』…2年
十二国記シリーズ…6年
『レベッカ』…7年
『魔法使いはだれだ』…9年
『ずっとお城で暮らしてる』…6年
『鳩の栖』…9年
何をしてもしなくても最近すごく疲れるし苦しいし毎日どこかしらが痛いので、書くこと(楽しいけど疲れることの代表)とも一旦距離を置こうかななんて思っていましたが、読むことを通じて、いやいやもうちょい粘ろう!と思えたのは収穫でした。
大げさな言い方をすると、大好きな物語に生きるという行為を肯定してもらったような気がします。
読むことは私にとって、苦しみからの逃避であり、本を閉じた後に世界と向き合うための教えを乞うことでもあるのかもしれません。
話が逸れるけど、昔参加した売野機子先生のトークイベントのことを思い出したので書きますね。
前後の文脈を覚えていないのですが、先生が
「死んじゃいたいって思うこともあるけど先人達が漫画を通してこの世は生きるに足る世界だって教えてくれたから頑張ろうと思える」
というようなことをおっしゃっていて。
かなり前の記憶なので、うろ覚えだし細部も違うはずですが……。
苦しいなーと思うときによくこの日のことを思い返します。
余談(買ったもの)
Adobe Illustlatorをいじっています。
小説を書いているなら同じAdobeでも組版を作成するのに適したInDesignの方がいいよ、と複数人からすすめられたのに強情にも私は表紙が作りたいからとつっぱねてイラレを選び、結局挫折しのが去年のこと。
懲りずにまた契約しました。
身の程に会わないおもちゃを手に入れた子供の気分です。
既に公開し始めていますが、前よりはちょっとわかるようになってきて嬉しい。
どんなにささいなことでもできることが増えるのって楽しいですね!
あと、やっぱり『大穢』!
買ってよかった〜。
伊豆諸島の離島で行われる法事に代理参列した若き探偵(総攻)が主人公のクローズドサークル昭和ホラーミステリーBLノベル同人ゲームです。
(今調べたらR-15指定版とR-18指定版があるそう。知らなかった)
大筋の時点で殺人事件解明系ボーイズラブが好きな私にはどんぴしゃ。
拭いきれない罪悪感を胸の裡に秘めた主人公が、過酷な選択を迫られながら、罪を犯すこと、奪うこと、その報いと償い、罪人の更生とは何かを思考し続け藻掻く姿がすごく好き。
追い詰められた状況でそれでもより善くあろうという努力に惹かれます。
また、第二次世界大戦終戦から間もない昭和30年の日本を舞台とするこの物語の随所から私は戦争に対する批判的な眼差しを感じました。信頼出来る作品と作り手だなあと思います。(いやでも都合よく見ようとしてるだけかもしれない!わかんない!)
ここまで書いて、やっぱり私は物語とキャラクターに生の伴走者であることを求めているんだなあと実感しています。
そんなわけで自分がぐっとくるもの(萌えるもの)、書きたいものが「苦しい旅路」「わかり合えないあなたとそれでもそばにいるための歩み寄る」だとはっきりしたので、これからも相互不理解のファンとして、ギスつきながら惹かれ合うひとたちの話をたくさん読んでいっぱい書いていきたいです。
以上、まとめと抱負でした。
では!よいお年を!