住めば都の風が吹く

楽しいことの日記です

2022映画・音楽・本

映画

 映画館おさめは『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』、映画おさめは『走れ!走れ走れメロス』になりました。

 

音楽

 私は聴覚過敏の傾向にあるので、街を歩くときなどは音楽を聞かないと他の聴覚情報に意識が持っていかれてやっていられない。

 と、いうことが今年の通院で判明したので、よく音楽を聞く年だった

 
シンシア / 堀込泰行

原田知世さんの楽曲のカバー

 全国大会GSの前日に無配の案出しで聞きまくっていたら再生回数が断トツになった

 

Glide(cover)  / Mitski

映画『アフター・ヤン』で印象的な使われ方をしていたのですっかりとりこになった

元々は『リリイ・シュシュのすべて』の劇中歌らしいけど私は本家を知らない

 

 

My Foolish Heart / ロッド・スチュワート

映画『ファントム・スレッド』で流れてくる曲で、色んな人のカバーを聞いたけど彼のカバーが特に好き

江國香織の作品によく出てくる名前なので、この低くて優しい声が好きな小説に流れているのだなと思うと感慨深い

 

燃え殻 / 馬の骨

堀込泰行さんの別名義「馬の骨」の名曲

 

味見 / MONO NO AWARE

好きなバンドの新曲なのでめちゃくちゃ聞いた

 

Pure Imagination / Charlie and the chocolate factory (Original Broadway Cast Recording)

ミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』の劇伴

ブロードウェイ版でウィリー・ウォンカ(工場長)を演じていたクリスチャン・ボールさんの歌声が大好き!

以下に好きな歌詞の引用と拙訳を書きます

 

“If you want to view paradise simply look around and view it”

もし楽園を見たいならば、ただ周りを見渡せばいい

 

 

1/2 / 川本真琴

「愛の才能」も好き。「成長しないって約束じゃん」という歌い出しの鋭さは何度聞いても胸を刺す

(川本さんといえばサブスクを批判をしている人なのでここにあげるのは気が引ける)

 

スウィートソウル / キリンジ

ツイートがバズっていた泰行さんファンの方が好きな曲としてあげてらして、そういえばあんまり聞いたことないな〜と思って聞きまくった

 

Phantom Thread I / ジョニー・グリーンウッド

映画「ファントム・スレッド」の劇伴。でも私は「House of Woodcock」という曲の方が好き

ジョニー・グリーンウッドといえば今年は『パワー・オブ・ザ・ドッグ』の楽曲も良かった

 

Late Night Talking / ハリー・スタイルズ

映画『NOPE』出演者のブランドン・ペレアさんがこの曲に合わせて踊るTikTok動画がめちゃくちゃ良いのでたくさん見ていたら曲も好きになってたくさん聞いた

 

 

 漫画を除いて12冊かな? 多くはないけど去年と同じくらいは読めていてよかった。

 お気に入りは以下

 

『セルリアンブルー 海が見える家』上・下巻
T.J.クルーン 作
金井真弓 訳

https://www.oakla.com/%e8%a9%b1%e9%a1%8c%e3%81%ae%e6%9c%ac/9784775529973

魔法青少年省で働くいちケースワーカーのライナスに突如最上級幹部から指名が届いた。最高機密の任務を抱えて降り立ったマーシャス島の児童保護施設では、規格外の6人の子供達と魅力的な微笑を浮かべる施設長アーサーが待ち受けていた。

 

 すごく幸福でロマンチックであたたかくて、この物語が存在するという事実に希望をもらえる人がたくさんいると思う。

 ともすればご都合主義にもうつるかもしれないけれど、こんなにも光と願いに満ちた話が存在してくれてよかった。 

 

 

 

 

 来年もまたいろいろなものやひとに出会えますように!

 よいおとしを!

今年出した同人誌

 

 今年出した同人誌を振り返ろうと思う。

 内容にはあまり触れないので、本の裏話的なことはほぼない。

 

『イン・アザー・ワーズ』
イベント:全国大会GSΩ20225月)
印刷:コンビニプリント(セブン)
幸真
……セブンのコピー機は小冊子モードがあるので助かる。紙切れを起こしまくるいたたまれなさから5軒ほどセブンを梯子した。
刷った分が会場で完売したのが初めての経験でものすごく嬉しかったし、求めてくれる人のために数を用意できなかったことが悔しかった。これからは多めに刷ろうかな。

タイトルはシナトラのFly Me to the Moonの一節In other words(言い換えると)から取った。月に連れてってとか色々おねだりするのは言ってみればあなたを愛してるってことだよ、みたいな曲だ。

伊豆に行こうと幸村がわがままを言う→私をスキーに連れてって(映画)→私を野球に連れてって(映画)→Fly Me to the Moon(曲)という連想ゲームから生まれたタイトル。

 
『希望の朝だ』

イベント:全国大会GSΩ2022の無配

印刷:コンビニプリント(A6A7の折本)

幸真

……『イン・アザー・ワーズ』冒頭に登場するエピソードの幸村視点。

タイトルは「ラジオ体操」から。素晴らしい歌詞だ。

書いたことをすっかり忘れていて、先日(1218日のイベント)で既刊頒布中にこぼれ落ちたのを見て書いたな!と思い出した。その割には良い話が書けている気がする(今読み返した)。

 

『常勝ハートで萌え燃えギュン

イベント:全国大会GSΩ2022夏(8月)

印刷:プリントオン

幸真

……カッティング加工

表紙を人に頼んだのも初めてだし、特殊装丁も初めてだしで特別な一冊になった。特別な一冊がメイドカフェパロディ本でいいのか?

表紙とコンセプトの合致や内容の奇抜さから反響の大きかった本で、「モブを応援した」とか「変な本また出してよ」など声をかけてもらえたのが面白かった。

同人誌を出す楽しさをしみじみ感じる本だった。余裕持って原稿進められたし。ギリギリの入稿は心身に負荷がかかる。

 

『ハッピー・ハッピー・アイスクリーム』

イベント:さわやかマルシェ(10月)

印刷:しまや出版

リククリ

……リククリに再燃してエッチな本が出したい!という衝動だけで出した本

しまや出版さんのオールネオンピンク印刷が使えて満足。

しまやさんは優しいので表紙の図柄のズレの微調整から背面の四角の位置を中央に寄せるという本来なら入稿側がやらねばいけないことまで面倒を見てくれる。

 

『あすはよきひと』

イベント:さわやかマルシェ(10月)

印刷:ブロス

リククリ

……ずっと使いたかったマーメイド(水彩画用紙に使ったりもする)を表紙にできてよかった。

「明日からやる気出す」じゃないけど、「明日には良いやつになってやってもいいかな」くらいの姿勢のクリフを書きたかった。

ありのままの姿を愛し合うのも素敵だけど、誰かの望む自分でありたい、という、見栄じゃないけどそういう気持ちも愛の尊い面だと思う。

 

『シンシア』

イベント:第20回全国大会GS12月)

印刷:コンビニプリント(セブン)

幸真

……無配

イベント前日に、新作が置けない自分の遅筆さに焦りを覚えてゼロの状態から捻り出した。その際、最近リリースされた「シンシア」堀込泰行さんカバー版(原曲では原田知世さんが歌唱)をガンガン流して案出ししたのでタイトルを拝借した。

11月に幸真についてガッツリ語る機会があって、その時普段幸真で活動してない友人が「幸村くんの心音を確かめる真田」に萌えると話していて、そうか〜なら書くか〜と書いた。

 

【人へのお礼に書いたものなど】

 

『一等星のあなた』

印刷:ちょ古っ都製本工房

跡日

……跡日好きの人の誕生日祝い兼自カプ書いてほしさのすり寄りに書いた。

好きなだけ思い浮かべられる金持ちっぽい描写を入れられたのが楽しかったけど、実際金持ちの知見がないので大変だった。

タイトルは「あなたがいっとう眩しい」みたいなモノローグと一等星をかけたシャレです。

 

『はつこいのちょう』

コンビニプリント(セブン)

ネイル着想

幸真

……友達が、幸真概念ネイルをした時蝶のパーツをいくつか載せたら1つが落ちてしまって悲しかった、というエピソードを教えてくれたところから着想を得た。

ジョジョ・ラビットという映画で「お腹の中で蝶が羽ばたく」ということわざ(なのかな?)が出てきてそれもずっと使いたかったので、蝶が取れる=飛んでいったという発想に繋がった。

ネイルをしていた友達に許可をとってから書き終わるまで1年かかってしまったけど少年らしくやきもきする姿が書けて良かった。

 

『大きな檸檬の木のしたで』

コンビニプリント(セブン)

表紙お礼

幸真

……pから始まる名前の雑誌で描き下ろしアニメ絵が公開された。レモンの蜂蜜漬けを食べている幸村と真田の幼年期。衝撃だった。

そこからインスパイアされた話。

 

『最強の2人になる前の話』

web

表紙お礼

マヴェグス

……カップリング指定

タイトルは「最強のふたり前夜」にすればよかったな。

TGM見てからTGでのマーヴェリックとグースの関係性にときめくようになった。三十数年ごしの続編で出てくる旨み成分。

カップリング指定を受けた時、相談しながら設定を詰めたので(文章には反映してないけど、マーヴは空に近いからという理由で2段ベッドの上を使いたがるに違いない!とか)とんとん拍子に書けて楽しかった。

 

『ナイフ』

web

表紙お礼

幸真

……「喧嘩する幸真」という指定

「入院中の幸村を見舞いに来た真田がお前ばかり不幸ぶるな!と叱咤する」という設定じたいは数年くらい持っていたので使えて嬉しい。肩の荷が降りた感じ。

病気になると自分のことばかりになってしまうし、サポートする周囲の人も消耗してつい強めの言葉使ってしまうことがあるよなあということを頭に置いた。言葉は時にナイフのようだね。

この話を書きながら宮沢賢治「永訣の朝」の「うまれで くるたて こんどは こたに わりやの ごとばかりで くるしまなあよに うまれてくる」という一節を思い出した。

まあ幸村くんの病気はどんなものか不明瞭なので命に別状があるのかもよくわからないのだけど(本人が入院中に生とは……死とは……となったって作文に書いてるようだし死について考えたことはあるんだろうな)。

 

『白』

印刷:コンビニプリント

二次創作漫画着想

幸真

……フォロワーさんの二次創作漫画(https://twitter.com/nrpiyo/status/1441000227708698628?s=46&t=Bd-bCoPTnA_7UAsSI1N16w)を許可をとって文字にしてみた、という話。

元が谷川俊太郎さんの「色」を引用した作品だったので白に絶望を感じる幸村くんの心を想像するのが楽しかった。

ちょうどこれを書いた前後に入院病棟を訪れる機会があったのだけど、白というより灰色だった。施設によるか。

 

 

 

 個々のページ数が多くないのでなんとなくパッとしないがそこそこの冊数は出しているので自分にしてはよく書いた年だと思う。

 来年は生き急がない程度に書きたい。あと装丁モリモリで完売した本の再録本出したい。モリモリも何も装丁のその字すらわかりませんが……。

第20回全国大会GSありがとうございました

 第20回全国大会GS、お疲れ様でした。

 最近は全然話を書いたり幸真のことをツイートしたりしていなかったのですが、それでもたくさんの方がスペースにいらしてくださって、すごく嬉しかったです。

 差し入れもたくさんいただいて恐縮です。宝物だあ。

 

 

 ものを書いているという自認が薄れていてもう今後しばらく、少なくとも3年くらいは何も書けないのでは……? と思いながらイベント準備をしていたので、過去作をご覧くださった方からお声がけいただいたときは本当にびっくりしましたし、なんでしょうか、安堵というか喜びがじわーっと広がる心地でした。

 

 今回のイベントで『イン・アザー・ワーズ』は完売となります。発行当時、初めて持ち込み分がその日に完売したことで感動した思い出深い本です。

 来年の12月に開催されるであろう幸真オンリーで完売した既刊の再録本を出したいと考えているので、もし気になる方がいらしたらよろしくお願いします。

 8月のイベントで出した幸真メイド本はまだまだ二刷があります(もちろんノベルティも確保ずみです)。通販や今後のイベントでお買い求めいただけます。

 

通販は以下URLからどうぞ。ピクトスペースです。

(成人向けの本も取り扱っているので年齢確認がありますがメイド本は全年齢向けです)

https://pictspace.net/nevergivedog

 

 

 テニプリを好きになって今年で3年目。今回のイベントはその過程で生まれた縁を改めて感じるものとなりました。

 好きなものを介してこんなにたくさんの人とお話したり自分の考えに耳を傾けてもらえるというのを3年前の自分は考えていなかったでしょう。望外の幸福です。ありがとうございます。

 

 

 次回のイベント参加予定は全くたてていませんが、またどこかでお会いできたら嬉しいです。

 インターネットの海でもこれからもよろしくお願いします。

 

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11月27日

 すごい楽しかったので思い出に残しておきたくて書きます。

 

 11月は持病が悪化してひどい毎日だった。ひどさにも波があるので陽気そのものの日もあったしベッドから起き上がれない日もあった。 

 そんな感じで主治医から入院の提案を受けて思わず、「いや、27日に友達に会うのでちょっと考えさせてください」と言ってしまった。

 そのくらい楽しみなのが27日だった。

(入院といっても私の場合は切迫したものではなくて、しておく〜?みたいな感じです)

 

 

 午前中はコミティアを満喫して楽しかったし、その後フォロワーさんに会ってたくさん幸真の話をさせてもらった。

 あと別れ際に駄々をこねて音速飯店というカードゲームをしてもらったんだけど、めちゃくちゃ楽しかった〜!

↓遊び方の解説動画です

https://youtu.be/r7F1Y2seqPg

 1日のうち楽しいこといっぱいあったんだけど、頑張っても上手く書けなかったので悔しいな。でも楽しかったなあという余韻があるので幸せ。

 

 

 コミティアで出足が遅れたために買い逃したものも後日通販やデータで購入できたから大満足。

 おすすめの一冊はいしいひさいち先生の「ROCA」という漫画。

 ポルトガル民謡ファドの歌手を目指す少女ロカちゃんのスターダムまでの道のりと、年上の同級生・柴島さんとの友情を描いた作品で、想像の余地あるラストにははっと胸を締め付けられることと思う。

 気にしいだけど妙なところで大胆なロカちゃんと、口も悪ければ手も早いのに面倒見の良い柴島さんの関係が素晴らしく良い。

 故郷から遠く離れた都会で歌手を目指して研鑽するロカちゃんは落ち込むことがあっても柴島さんに「バカ」と電話越しに叱咤されるだけで元気が出ちゃう。

 試し読みや購入は以下のサイトから。

https://www.ishii-shoten.com/honnmaru/rocaw09.html

 

 

 あと一目惚れした綺麗な紙を買った。

 奥田久重さんの作品。(ツイッターID:@mutsuraya)

 美しい鳥(つばめかな?)が描かれたA3用紙を1枚だけ買ったけど、人生において綺麗な紙がほしいなあと思う場面がちょくちょくあるのでもっと買えばよかった。

 

11.30 OCHA NORMAいた

 ハロプロのアイドルがCD発売のたびにCDショップを巡る、という慣例があるということを今日知った。

 今までブログなどで彼女たちがCDショップに行ったと報告しているのを見て、近くでお仕事あったんだなあと思っていたけど、ばか!わざわざそこまで赴いてるんだよ!なんたるプロ意識。震える。

 

 

 今日(注:書いてた11/30)発売のOCHA NORMA2ndシングル「ウチらの地元は地球じゃん!/運命CHACHACHACHAN」を買いに都心に出た。気圧の上昇でへろへろだったけど他にも用事があったのでえいっと起き上がって部屋の隅に置いていた「これさえ持っていけば出かけられるセット」を掴んで這うように街を進みCDショップに。

 なんか、オーラが溢れていた。

 オーラとか言うと鑑定士みたいになっちゃうな。

 何て言えばいいんだろう。平常じゃない空気? 浮ついてるようなピリついているような。華やかな雰囲気はあるんだけど店員さんに油断ない感じがあった。

 なんだ……と思って目を凝らしていたら、米村姫良々さんが自分の写真の印刷されたパネルにサインを書いていた。米村姫良々さんが?米村姫良々さんのパネルに?

 本人じゃん!

 本人じゃん!

 と思っていたらきらめきがその奥からも溢れててよく見たらメンバーがいっぱいいた。いっぱいっていうかたぶん、筒井澪心さん以外全員いた。

 おそらくまだ到着したばかりだったのだろう、眼前の光景にびっくりして固まっていたら着々とOCHA NORMACDコーナー周辺が封鎖されていった。

 CD売り場に近づけないことには買えもしないので店の中でうろうろして待つこと10分ほど。

 そろそろかな? と戻ってみると関係者に挨拶をして彼女たちは去っていくところだった。

 

 この数時間後にまた別の街でリリースイベントのライブパフォーマンスが控えているというのにCDショップを回って宣伝用の写真を撮ってサインもしてコメントも用意して。すっご〜〜!!!!!

 体力。

 

 

 体力もまあもちろんすごいんだけど、それを維持する努力とか苦労とか考えたら胸が痛くなった。

 ライブに行くとパフォーマンスに爆沸きしてきゃっきゃっしてしまうけど当たり前じゃなくて大切で特別な一回一回なんだなということ、忘れないでいきたい。

 

 

 それにしても全員、目がきらきらしていることといったら。常人とは含有している水分量が違うんだろうな。

 

 

 OCHA NORMA退店後は写真OKだったのでサインを撮ってきた。

 

店舗ごとに推しメンが違う。

私が行った店舗は米村姫良々ちゃん推し。

たぶん私が目撃したのはこれを書いてるところかな?

他にも数枚書いててアイドルって大変だなあと月並みなことを感じた。

 

そうそう、OCHA NORMAの皆さん、レコード大賞新人賞受賞おめでとうございます。

 

2022.11.30

11.25 山﨑夢羽さん

 山﨑夢羽さんのバースデーイベントに行った。

 山﨑夢羽さんはモーニング娘。などが所属するハロー!プロジェクトBEYOOOOONDS というグループの一員で、今年の115日に20歳の誕生日を迎えた。

 今日はバースデー当日から20日あいたバースデーイベントだった。

 

 

 今年はBEYOOOOONDS の初単独武道館ライブがあった。コロナ禍で延期を経てのようやく、ということでメンバーやファンの熱気は凄まじかった。

 傍観者のような言い方になったのは私が昨年夢羽さんのことを知ったばかりの新参ファンだから。

 それでも武道館ライブはすごくすごく楽しくて幸福だった。双眼鏡を使わないと表情が見えない座席だったけど、笑顔を向けられていることはちゃんとわかったしほとばしるパワーがびしびしと伝わってきて心から楽しめた。

 私は過去にあんまり楽しくない用事で日本武道館に行ったことがあって、嫌な思い出のある場所だったので道行は記憶が蘇って胸が痛かった。着慣れないスーツと足に合わないパンプスで渋々参加した行事で、なんとはなしにみじめな気持ちでちょっと泣きながら帰ったことや、その時感じた自分の居場所じゃないという強い抵抗感が今なお私の中で根を張っていた。

 それでも、好きな服を着て(夢羽さんのメンバーカラーのツアーTシャツ)、BEYOOOOONDS の、夢羽さんの、記念すべき日の目撃者になるため降り立った武道館は、特別な感じがした。嫌な記憶はなくならないけど、その上に一個、しあわせな思い出が乗っかった。

 

 

 夢羽さんのパフォーマンスは特別だ。

 いつもニコニコしている。アイドルなんだから当たり前だろうと思われるかもしれないけど、本当にずっとニコニコしてる。失恋した女の子の曲でもちょっと微笑んでいる。でも、なんだか、その笑顔を見ていると気がついたらこちらの口角も上がっている。

 ピッピッとキレのある踊り方も好きだし、華奢なからだから癖のある歌声が発されてのびのびと響いていくのが気持ち良い。

 

 

 夢羽さんの何を私が特別と思っているのか自分でもよくわからないけど、今日バースデーイベントで彼女が姿を現した瞬間すごくほっとした心地になれて、こんな気持ちにさせてくれるひとはいないと思った。

 行く前は謎に緊張して行きたくなくて玄関先でめそめそしていたのに、ここに来て良かったのだと、こわばらないでいいのだと、きらきら輝く夢羽さんを見て安心した。

 ほっとしたら、もう、楽しくて楽しくて仕方なかった。

 ここのところ持病が思わしくなくて抑うつ状態だったけどそういうのを全部忘れさせてくれた。ありがとう〜!

 

 

 ファンからの質問に答えていくラジオ形式のトークコーナーでポジティブでいる秘訣を聞かれた夢羽さんが「自分が1番だと思うこと!」と腕をビシッと上に突き上げて笑顔で答えたことがすごく印象に残っている。

 自分に自信を持っているから色んなことに挑戦できるという話だったんだけど、刺さって抜けない。

 

 

 他に好きなアイドルも俳優もたくさんたくさんいるけれど、夢羽さんは特別なひとだと改めて感じる1日だった。

 1部冒頭MCでの「今年1番楽しい日になるように……」、ちょっと言い淀んで、それからの、「してみせましょう!」と、最後の曲が終わって上手にはけながら「みんな〜ありがとう〜赤くて綺麗だよ〜」と言ってくれたことを忘れたくない。ペンライトのことを言っていたのだろうけど、彼女のメンバーカラー(イタリアンレッド)に合わせてコーディネートしている人がいっぱいいたからそういう人たちのわくわくした気持ちも抱きしめてくれているように感じられて嬉しかった。

 夢羽さんのおかげでまた一つ嬉しい思い出ができた。覚えていよう。

 

 

 

2022.11.25

11.25 ファンブック

 

 ファンブックが好きだ。

 マニアックな情報をよく記憶しているとかではない。

 ただファンブックという読み物が好き。

 

 

 なぜか出先で駅の本屋にあった「のだめカンタービレ」のキャラクターブックを父に買い与えられたのがはじめだった気がする。

 父は当時ピアノを習っていた私を啓蒙するつもりでアニメの「のだめ」を見せてくれていたらしいのだが、後に全く練習をしない私を嘆いた父が「あんな下ネタアニメをお前に見せてるのは千秋(主人公)に学んでほしいからだ!」と半泣きで怒り狂った。

 漫画好きかつミーハーな父にしては珍しく原作に手を伸ばすことはなかった。たぶん巻数が多かったからだと思う。私にしても原作漫画を読みたいとねだったことはなかったので、突如与えられてびっくりしたことを今でも覚えている。ファンブックじゃなくて本編を読ませてくれよ……と考えていたのも。

 カバー裏に、比率を調整してコピーすると主人公たちの恩師の等身大ポスターが作れる!というピンナップが掲載されていて、衝撃だった。主人公じゃないのかよ、と。

 私はその本をめちゃくちゃ読んだ。ボロボロになってシワができて、読み込まれた本特有の厚みになるまで読んだ。

 アニメではモブ同然のキャラについても細かい背景が語られているのが興味深くて、登場回数の少ないキャラが1ページに4人くらいまとめられているところを読むのが楽しみだった。

 

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